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蓄電システムのメリット・デメリット

2019年11月。
2009年より始まった太陽光発電の余剰分を売電する【FIT制度(固定価格買取制度)】が終了しました。
その影響もあり、大手家電メーカーなどがこぞって家庭用蓄電池を販売し始めました。

話を聞くところでは、売れ行きは不調とのこと。
未来永劫の売電制度を信じ、オール電化の高額な電気代を相殺してきた家庭においては、売電が終了することで毎月約2万円ほどの電気代が上乗せされると思うと家計の圧迫でしかないでしょう。
そんな状態で、蓄電池を買いませんかと言ってもやはり手が伸びないのは理解できます。

しかし、蓄電システムの利用がなかなか普及していかない原因としては、「よくわからない」
という側面も多いのではないでしょうか?

そんな蓄電システムのことについて書いていきたいと思います。

蓄電システムは何のために導入するの?

まずは、なぜ蓄電システムが必要なのか?というところを説明します。
大きく分けると二酸化炭素の排出抑制の効果と非常用電源として停電時にも電気を使うことができます。

現在、私達が使っている電気の殆どは火力発電によって賄われています。
火力発電は、化石燃料を海外から輸入し(主に船で運ばれるので重油をもやし二酸化炭素を排出します。)各地域の火力発電所で化石燃料を燃やし、その熱を利用して水蒸気などでタービンを回し電気を作ります。
自転車発電や、非常用の手回し発電機を使ったことがある方はわかるとおもいますが、人間の力程度では大した電気は作ることができません。
そうして作られた電気は、ながーい送電網を通り、家庭に送られます。
送電網を通る間にも、少しずつ電気をロスしながら運ばれ、末端の家庭でも使い放題感覚で電気を使っている家庭も少なくないのではないでしょうか?
送電網のロスや電気の無駄遣いは、直接二酸化炭素を排出するわけではありませんが、電気を消費する量が増えれば増えるほど、作らなければならない電気の量も増えるため二酸化炭素の排出につながるというわけです。

このロジックを打破するためには、やはり家庭で使う電気の量をどれだけ減らせるかにあると思います。
そこで活躍するのが、蓄電システム。
太陽光発電など再生可能エネルギーで作られた電気を一時的に貯めておく事ができるため、二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーを使えるうえに、長い送電網も必要なく、電気を「自産自消」することができます。

ここで一つの疑問が。
太陽光パネルや蓄電池を作るのにも二酸化炭素が出るのでは?

確かに太陽光パネルや蓄電池の製造時に、二酸化炭素は排出されます。
しかし、太陽光パネルの寿命は一般的なところで20〜30年。
蓄電池は、リチウムであれば10年以上。鉛だと5年ってとこでしょうか?
※蓄電池についてはどこを「寿命」と捉えるかが難しいため後日別に記事を書きます。

この期間は二酸化炭素を排出しないのか、この期間二酸化炭素を排出し続けるのかの違いです。

電気に対する二酸化炭素の排出量とは、発電時のもの、燃料を運ぶとき、ひいては化石燃料採掘時にも排出するでしょう。
ソーラーパネルで言えば、約2年ほど(0.96年〜2.6年)で製造時に出た二酸化炭素を回収できるそうです。(エネルギーペイバックタイム)

次に非常用電源としての役割を考えます。
東日本大震災や熊本地震をはじめ、様々な未曾有の大災害が日本各地で起こっています。最近でも、岐阜県や長野県、関東や北関東などで地震が頻発しており、首都直下型地震や南海トラフを予感せずにはいられません。
このような大災害への備えとして、蓄電システムは非常に有効です。
私達の暮らしに関わる多くのものが電気によって動いています。
電気のおかげで、便利で快適な生活ができていると言っても過言ではないくらいに電気への依存度は高いように思います。

少しの停電であれば、モバイルバッテリーや乾電池でしのげると思いますが、長期化した場合はそうは行きません。
例えば、それが真夏であれば食材は腐り、熱中症などの二次災害に繋がる恐れも大いに考えられます。
日々移り変わる情報を手に入れるにも電気が必要ですし、エネルギーの備蓄は現代において、食料や水と同じく、災害時に明暗を分ける重要なものであるとも言えます。

蓄電システムのよくある話

蓄電システムの話をすると、よくある反応が「元は取れるの?」です。
はっきり言ってしまうと、元を取るのは難しいです。
初期費用と耐用年数を考えると完全に元を取るのは難しいのですが、ランニングコストは下がりますので、毎月の電気代は減らすことができます。
これは発電、蓄電ともに容量が大きければ大きいほど顕著に現れます。
ポータブル蓄電システムでは、1kWh前後の容量なので、電気代に換算すると1台使い切ると25円とかそのくらいです。ソーラーパネルとの充電の兼ね合いもあるので、フルに使ってもせいぜい月500円とかそんなもんです。
しかし、ある程度の容量のなんちゃってオフグリッドシステムであれば、発電量も確保でき、暮らしの中に導入しやすいので、商用の電気と置き換えやすいこともあり、電気代は大幅に削減できます。

他にも、導入することで家庭で排出する二酸化炭素を0にできる!と思っている方もいるようですがこれは間違いです。
大容量の蓄電システムにより、使うすべての電力を再生可能エネルギーで賄うことはできます。
しかし、オール電化の住宅では熱源も電気で賄うために、使う電気の量が多すぎたり、とんでもない高出力になるので、システム自体の規模をとても大きくしなければなりません。
こうなると、導入コストは高くなり、蓄電システムをおいておく場所の問題や、屋根に乗せられる太陽光パネルでの発電の限界など様々な問題が生じてしまいます。
ここでの問題は、「熱」です。
電気を熱に変える際のエネルギーロスが非常に多く、出力や消費が大きくなってしまいます。したがって、蓄電システムですべてを賄うのは無理があります。
なので、まずはそこから見直す必要があります。

わが家で言えば、給湯は太陽熱温水器と灯油給湯器。
調理はプロパンガス。暖房はペレットストーブ。
というように、熱の部分はその他のもので代用しています。
本当は、全て再生可能エネルギーでやりたいのですが、現状はガスと灯油は少し使っているので、殆どの電気を自給しているわが家でも二酸化炭素の排出は0にはなりません。
現状すべてを0にするには、まだまだ課題も多いのですが、そこには挑み続けています。

0にはなりませんが、少なくとも太陽光で発電した電気の分は減らすことができます。ここに大きな意味があると私は思います。

蓄電システムのメリット・デメリット

商用電力と蓄電システムを使う上での一番の違いは、感覚の違いです。
商用電力を使うときは、翌月の請求時に電気代が高く「つかいすぎた〜」と思うこともあるかと思います。しかし、翌月なのでどのタイミングでどのくらい電気を使ってしまっているのかまでは覚えていないことのほうが多いでしょう。(今は電力会社のサイトから1時間単位までの消費電力量を見ることができます。)

蓄電システムはというと、そもそも電気を使う感覚が違います。商用電力の場合は、使っても使ってもなくなることはありません。
しかし、蓄電システムはスペックが決まっているため、バッテリー残量がなくなれば当然停電することになります。ですので感覚としては、電気を使うことで、「電気が減っていく」という感覚になります。
0になれば停電ですから、必然的に節電を意識せざるを得ない状況になることを意味します。

なんちゃってオフグリッドシステムだと、停電しても商用に切り替えれば電気は使えるので、停電の恐怖みたいなものはありませんが、ここを自動でなく手動で商用に切り替えることで、「電気を使い切った」ことを実感してもらえるようにしています。

次に、冒頭で少し触れたメーカー製品となんちゃってオフグリッドシステムの違いを説明します。
メーカー製品は、主に4kWh、6kWh、8kWh、12kWhなどスペックや規格が決まっています。最近ではAI搭載型の蓄電池もあり、天気予報から天気を推測し出力調整したり、これまでの使い方を学習しそれにのっとり出力調整します。一見便利に思える機能ですが、機械任せになることでのデメリットもあります。

例えば、地震が来るときはいつでも突発的です。天気予報で晴れの予報が続いたがために、蓄電していた電気を使いすぎており、いざ自身が着て停電しても電気が使えないなんてことが考えられたり。
例えば、天気予報がはずれたときに急遽対応することは難しいのではないでしょうか?
他にも、自動であるから便利なのですが、自動であるがために現在蓄電池から電気を使っているのか、商用電力から電気を使っているのかがわかりづいらです。モニターを見ればわかるんでしょうけど、切り替わったタイミングなんかはずっとモニターに張り付いていないとわかりません。

逆になんちゃってオフグリッドシステムは、商用に切り替える際は手動なので、いつどっちに切り替わったかがはっきりわかります。
そのメリットは、体感的にどのくらいの電力を消費しているのかを知ることができることです。
現代ではコンセントに挿せばいつでも電気が使える状態です。
これは、考える力を蝕みます。
昔は、ブレーカーのアンペア数が少なかったことから、テレビをつけるときはエアコンがつけられなかったなんて話をよく聞きます。
具体的に、何が何ワットでということよりも、
この2つを同時に使うとブレーカーが落ちるということは、この2つは電気を食うものなんだ。
という認識が大切なんじゃないかと思っています。
同じように、蓄電システムが止まってしまうのにも理由があります。
例えば、
・残容量の低下によるインバーターの遮断
・残容量の低下により、電圧降下が起こりインバーターが遮断
・負荷をかけすぎて(出力が大きすぎて)インバーターが遮断
・1回路の高負荷(高出力)によりブレーカーが落ちた  など
こんな症状から、その回路や系統をたとると、原因がわかります。
その原因によって、商用に切り替えるのか、工夫すればつけるのかを考えます。
このフェーズに非常に意味があり、これを経験することで電気的な負荷が高い状態を認識できます。
なので、商用の電気を使う際も、無意識のうちに負荷の少ない電気の使い方を覚え、節電になっているという具合です。

これは、こどもへの教育的にも非常に良いと思います。

また、メーカー製品は1kWhあたりの導入コストが非常に高額です。
4kWhで100万円くらいが本体価格の相場でしょうか。これに施工費がかかったり、ソーラーパネルを乗せていなければ1kWhあたり30万円くらいはかかります。
その代わり、10年保証などの手厚い保障はありますが、経験は身につかないので、買い替え買い替えと消費していく流れになります。

逆に、なんちゃってオフグリッドシステムは導入コストが安くすみます。
わが家のシステム
最大発電量:約4.6kWh (2系統)
蓄電容量:約37kWh (リチウム4kWh、ディープサイクル)
で、パネル購入、施工、蓄電池及び周辺機器の購入、施工、システム設計すべて込みで200万円〜250万円ほどで導入可能です。
(※もちろん建物の条件や希望の電力容量、ライフスタイルなどによって変わるのであくまでも目安としてお考えください)
メーカー製品は基本的にリチウムイオンバッテリーなので10年はもつでしょう。なんちゃってオフグリッドの蓄電池の大半はディープサイクルバッテリー(メンテナンスフリーの鉛電池)なので、2〜5年でヘタって来ます。
それでも、故障してしまうわけではないので、システムを組み替えたり、バッテリーだけ交換という選択肢もあるでしょう。(※その際、バッテリーは金属なのでリサイクルできます。)
バッテリーの寿命については後日別記事で。

コスト以外にも、システムを組み替えたり、容量を増やしたりすることができます。容量も、バッテリーの個数に応じて設定することができるので、どこまでの電力を賄うかで、決めていきます。

このように、メーカー製蓄電池と僕たちのなんちゃってオフグリッドシステムでは違いがあります。どちらにするかの判断は、使う方の価値観や、予算感、ライフスタイルによって変わると思いますので、よく検討していただきたいと思います。

まとめ

オフグリッド住宅に住む(うちはなんちゃってオフグリッド住宅ですが)ということは、エネルギーの依存から解き放たれることを意味します。
電気代、水道代、ガス代と皆さん毎月払っていると思いますが、通常はこの選択以外の選択肢はありません。
ですが、ここにエネルギーを自給するという選択肢を一つ持つことで、依存を緩和することができます。
利用料を支払うことで、水、電気、ガスなどが使えるようになりますが、それらが止まったときに、それらを保証してくれるわけはありません。

オフグリッド化するのに、初期投資はかかり元を取ることはできません。
しかし、もしものときの保険的な意味だったり、節電が当たり前になったり、子どもへの電気教育であったり、家庭菜園のように自分たちの手の中にエネルギーがあるという喜びを感じることもできます。

長々と書いてしまいましたが、これはごく一部の断片に過ぎません。
また、ちょこちょこと記事は更新していきます。

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